感謝は、するものなのか?

わたしの母は、毒親だ。

 

生きづらさを抱えてきた。

人間関係では、緊張し、硬くなり、

心の中は否定の嵐。

なにをしゃべっていいのか混乱し

言葉を飲み込んでしまうことが多かった。

耳元では、自分を責める声がいつも聞こえていた。

 

育てられ方が大きく影響している。

ちっとも自信がなかった。

親が、自分の自己満足のために、

子どもを卑下していたからだ。

 

わたしに子どもが生まれた時、

自分がされてきた育て方は、しない。

強く決意した。

同時に、自分を育て直すことにも取り組んだ。

未熟な親に育てられたわたしもまた、

肝心なところが育ちきらずに大人になってしまっていたから。

 

自分の育て直し。

いろんな人の話を聞いたり、本を読んだり、

コーチングを受けてみたり……。

 

だいぶ育ってきた、と思う。

最初の頃と比べたら、別人のよう。

ただ、ここを越えると一気に楽になるだろうなぁと思う

その一線が、なかなか越えられずにいる。

 

親に感謝しなさい

親を受け入れなさい

親を許しなさい

どんな親でも、親を許してないうちは

自分を許せないのだから。

いろんな人がそう言っている。

 

そうなのか、じゃぁ親との問題に向き合うか。

 

思いを伝えてみた。

まるで理解しないし、そもそもできないみたい。

 

してくれなかったことではなく、してくれたことに目を向ける。

親がいなかったらわたしは存在しないのだから、そのことに注目する。

そう言われたけど、感謝には至らない。

 

親のこと、憎くて憎くて、というわけではない。

諦めている。

ときどき自分勝手なことを押しつけをしてくるので

腹がたったりもする。

いつまでたっても、感謝は湧いてこない。

 

わたしには二人子どもがいる。

11歳と8歳。二人とものびのび育っている。

子どもと過ごすドタバタな毎日。

成長していく姿を見られる幸せ。

 

そこには感謝しかない。

 

親が子どもを育てる営み。

感謝するのは親のほうではないだろうか。

子どもという、大きな恩寵を与えてもらったのだから。

 

子どもたちが、親に感謝してくれれば、それはうれしいけど、

育てるためにしていること、当たり前って受け止めてくれて、

それでいい。

 

感謝はしようと思ってできるものでは、ない。

感謝は、しらずしらずに、あふれているもの。