怒りと付き合う

怒らない人だった。

 

嫌なことがあっても、

自分が悪いのだと思っていた。

 

相手が不機嫌なのは、

相手が怒っているのは、

相手がひどいことをしてくるのは、

わたしの対応がよくなかったからだ。

 

どんなことをすれば、機嫌がよくなってくれるのかな?

どんな風に言えば、怒らせなかったのかな?

どんな風にすれば、ひどいことをやめてくれるのかな?

全部、自分の責任にしていた。

 

「怒ったこととかないでしょう〜」

過去に、結構言われていた。

確かに、なかった。

自分でも、怒りがないんだなって思い込んでた。

 

そんなわけ、ないんだよね。

自分でも気がつかないくらい、

むちゃくちゃ押しこんでただけ。

ないことにしていただけ。

 

後から思うと、

抑えきれずに、はみ出してた怒りが

あちこちで悪さを働いている。

生きづらかったのが、その証拠。

人間関係がツラかったのが、その証拠。

 

 

きっかけは、子育て。

思い通りになんか、絶対にならない、いきもの。

怒りが込み上げてくる。抑えられない。

可愛いのに、憎らしい。

抑えきれない怒りをぶつけてしまう。

子どもの表情が、能面のようになった。

このままだと、わたしがこの子を不幸にしてしまう。

上の子が3歳の頃。

 

今なら、思う。

子どもが、わたしの感情の蓋を開けてくれたのだ、と。

おかげで、ぎゅうぎゅうに押し込められてた怒りが、

やっと日の目をみた。

 

ずっと溜めこまれて、

腐っている怒り。

自分でも辟易するくらい。

 

全部自分の責任にしていたのが、

一転した。

他人に対して、ダメだ、嫌いだ、そこがよくないって

思うことが増えた。

怒りが、急激にあふれだす。

 

ぶつけないように気をつけたつもりだけど、

結果的には

一部の人間関係を、壊してしまった。

 

すべての怒りは、

なんでわたしを大切にしてくれないのっ!

という叫びだ。

 

大切にしてって、他人に求めても、

わたしが思うように応えてくれる人はいない。

 

自分で自分を大切にしてあげる。

そこからしか、始まらない。

 

怒りがまだまだ、溜まってる。

そんな自分も、そうなんだって認める。

 

怒りが溜まってるダメな自分、って言わないよ。

今までそうやって自分をいじめてきた。

これからは、大切にしてあげるんだから。

 

そうやって生き延びてきたんだよね、

それが最善だって思って生き延びてきたんだよね。

もう抑えなくていいんだよ。

出してっていいんだよ。

出しても、他人に撒き散らさないで済む方法を、考えようね。